フリーランスとしてHRP(ヒューマンリソースパートナー)日中異文化経営コンサルタントして活動している金です。
プロフィール
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「日系企業では上司が間違っていてもそのまま続行する、部下に弁解と発言の権利はない」これは上海のある日系企業に勤めた事のある中国人管理職の発言です。日系企業で勤める中国人従業員が日々何を考え、どういう気持ちで勤めているか皆さんはご存知でしょうか?
中国には各業種を含む大小さまざまな企業が都市部及びその近郊に進出しています。生産拠点としての輸出基地から市場開拓型の企業。最近ではイノベーション拠点としても注目を集めています。人・もの・金・情報と言いますが海外における企業経営において現地の優秀な人材の確保及び活用が最も大事な項目の1つである事は間違いありません。現地の人材が日系企業をどう見ているか、またどういう思いで勤めているかを知る事が大事です。
「用人不疑・疑人不用」
上記の熟語は「人を使うならば疑わず、疑われるような人は使わない」と言う意味です。
実際にあったエピソードをご紹介します。
日系企業の購買担当者が上司に部品の購入を任されました。購買担当者である中国人社員は会社のコスト削減を考え、様々なルート(知人・友人関係を含む)を使い、タフな交渉をこなし、通常価格よりも安い金額で購入。「自分は通常の価格よりも安い金額で購入した、これはきっとほめてもらえる」と報告。日本人上司は開口一番「そんな価格で購入できるわけがない。直接確かめに行ってくる」と言い放ち、単独で交渉。通常通りの価格で購入が決定したという話です。
日本人上司は購買担当者に「粗悪品をつかまされたら大変だ、今後も全て自分に報告するように」購買担当者のモチベーションが下がったのは言うまでもありません。
コンプライアンスは遵守しなければなりませんが国情に合った進め方が存在するのも事実です。本質的な問題はこの日本人上司が仕事は任せてはいたものの部下である購買担当者を信用していなかったと言う事実です。
この購買担当者は「バックマージンは貰ってない、そんな事をしたら結局次回以降も同じ話をされる」「いちばん悲しかったのは最終的に信用されていなかった事」と話していました。中国では個人のネットワークや「関係」が各方面に広がっており、「助けられたら助ける」思わぬ所から貴重な情報が入ってくる事があります。日本人がなかなか入っていけない所です。大事な事は役割と責任を明確にし、仕事を任せた以上疑わずやらせてみるという姿勢です。
いろいろな会社の総経理と話していると「現地化が進んでいる」「仕事を任せている」と言われる方が多いのですが、現場において上司と部下が少しでも疑いの気持ちを持っていれば、コミュニケーションの量が落ち、質が劣化していきます。
「基本的に信用されていない」「仕事を任せてもらえない」「何にでもすぐに首を突っ込む」「いつも本当かと聞かれる」と心のどこかで疑われていると感じながら業務をしている社員が多いのも事実です。まずは社員を信用し、仕事を任せバックアップしてあげる事が重要なのではないでしょうか。 「用人不疑・疑人不用」ですね。
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