おはようございます!
カイゼン研究会の宇賀です。
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今回のテーマは
「それの何が問題なのか? 」
です!
(製造業での問題解決への取り組み方についてです!)
この言葉は
前職で新人時代から、ことあるごとに言われ続けてきて
思い出深い言葉です。笑
年の近い先輩に軽い気持ちで、
「ちょっとこんなことで困ってるんですけど、、」
と相談しても、
急に目つきが変わり、それの何が問題なんだっけ??
と聞かれたことを今でも思い出します。
前職では昇格試験で
自分の職場の課題(テーマ)を選び
8STEPでの問題解決を実施し、上層部に報告します。
その発表が終わると管理職からの
質疑応答に入るのですが、
ここが鬼門です。
問題解決の発表をしているにもかかわらず
「そもそも、何が問題なんだっけ?」
という質問が飛んできます。
なぜかというと
今回の課題は、何で困っていて、解決したことで
職場ひいては会社にどんなメリットが出たのか?
ということが全く伝わっていない
つまり
「それがなぜ問題なのか?が
しっかりわかっていないよね、君」
と指摘されている訳です。
(本当に勉強になりました。)
この質問はなかなか考えさせられるもので
本当に取り組む価値があるものなの?
その問題になっている業務には本来どういう意味があるの?
ということや
なんでお前は
その問題に目をつけたんだ?
というきっかけとなる理由を、
自分で理解してから、取り組めよ
というアドバイスだと思っています。
抽象的な話が長くなってきたので、体験談を話します。
私は
中国で多くの工場を回らせてもらっておりますが
工場では、経営層の悩み事とは別に
管理者の人たちにも
自分の職場の困っていることを聞いていきます。
何も上がってこない職場ももちろんありますが
(困らないやつが一番困る・・大野耐一さんの名言)
管理者の方によっては責任や課題意識があり
困りごとを次から次へとあげてくれます。
しかし、
大部分の困りごとが以下のような形となります。
・外注部品の受入検査漏れが発生してしまうのですが、
どうしたらよいですか?
・お客様の発注変更がよくありますが、どうしたらよいですか?
・人がすぐやめてしまうのですが、どうしたらよいですか?
などなど
すべてに共通しているのが
なにが会社にとって困るのか(問題)かを、
理解し、把握する前に
How(解決策)に取り掛かろうとしていることです。
1つ目の例で言うと
対策は
受入検査漏れが発生するので
検査の頻度をロットから全数にするべきですか?
という質問が出てきました。
その前にやはり
何が困るのか?何が問題なのか?
をはっきりさせるという
ことをしないといけません。
ここで、なぜ検品が漏れるの?と聞くのはNGで
原因を人のせいにして、チェックリストなどを作ることが対策に
なってしまいます。
なので、
なんで?と考えるのも
問題がはっきりした後でないといけません。
ここで言う検品が漏れることは問題ではなく
検品の漏れた部品が、
そのまま後工程に流れてしまうことが問題です。
(検品する意味を考えないといけない)
そして、
過去に品質問題で怒られた経験があるので
その方は検品漏れが困りごとと感じていたのです。
検品未完のものが後工程に流れていくことが
問題だと認識できれば
そのあとは
プロセスを追いかけて行き、どこで問題が発生したかを
突き止めます。
———————————————————————————
■プロセス
部品納入(ヤード)
↓
受入検査場(抜き取り検査)
↓
検査待ち置き場
↓
検査終了
↓
ラインへの運搬
受入検査で抜き取り検査をしている間
検査待ち置き場に置かれ、検査合格したら
検査待ち置き場からラインへの運搬がされるというプロセス。
———————————————————————————
さらに、聞いていくと
受入検査場が狭いので、
抜き取り検査を開始する前に
検査待ち置き場に置いてしまっており
担当者が変わったタイミングで
検査が漏れてしまったとのこと。
しかし
この答えはまだ問題を検査漏れとしています。
そうではなく
検品未完のものが後工程に流れていくことが問題です。
ここで初めてなんで(WHY)?が出てきます。
問題のあるプロセスは検査待ち置き場なので
なんで検査の終わっていないモノがそこから動くのか?
という追いかけ方です。
検査終了の表示を張ったモノだけ動かせるはずです。
結局は
検査終了の表示が形骸化しており
(貼ったり、貼らなかったり)
物流も、それを見て運ぶというルールに
なっていなかったようです。
「検査終了の表示が形骸化していた。」
「ラインに運搬してOKの合図が決まっていない」
ということが次のなんで?の対象となります。
ここまで見てきた例のように
最初の、
何が問題なの?
何が困りごとなの?
というとこがはっきりしないまま
原因追及、対策に進むと
せっかく困りごととして
社員のセンサーに引っかかり
カイゼンの種を見つけられそうだったのに
本当に取り組むべき問題を放置したまま
会社にとっては何の利益にもならない
という結果になってしまいます。
(チェックを増やす)
ここがはっきりしない原因は2つあって
1つ目は、
全体で見たときに、
最終的に誰にどんな影響が出るのか?
を考えていないということ。
自分が責任者だからもうミスは起こしたくない
という気持ちで、困り事になっている方が多いように見えます。
2つ目は
仕事の目的がずれてしまっているということ。
日々の業務を滞りなく回すことが目的となってしまい
そもそもなんでこの仕事してるのか?というのを
忘れてしまっています。
例で言うと
検査を100%遂行することは目的でなく
悪いものを流さないことが目的です。
以上のように
「
そもそも、それの何が問題なの?」
ということを
はっきりさせるためには、
当事者に質問してあげないといけません。
目的を意識させ、最終的にどんな影響が出るから
困ってるんですよね?
と理解が進むような質問です。
当事者もそこの本当の問題に気付くと
的外れな対策は出てこないようになります。
さっき上げた例でも
問題に気付いた後は、担当本人が自ら
アドバイスを求めることなく、問題を解決しました。
やはり1番難しいのが
問題はここだ!と気付く部分なので、
そこに気付くようなサポート、
そして、自分で気づくことが尚良いので(習慣になる。)
質問の形式で発見してもらうことが良いと思います。
本日は
「それの何が問題なの?」という質問に絡めて
正しく問題、困りごとを認識することが大切だということを
長々と書かせていただきました。
最後まで
お読みいただきありがとうございました!
PS
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