フリーランスとしてHRP（ヒューマンリソースパートナー）日中異文化経営コンサルタントして活動している金です。
プロフィール
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■社員インタビュー
人事労務コンサルティングの現場において会社や組織の実体を把握する為に社員インタビューを行う事があります。約1時間の時間を使って様々な質問をします。質問項目は表面的な返答にならないよう社員の方々には事前に開示せず当日いきなりの質問になります。
ニュアンスの違いをなくす為に中国語で行いますが長い方だと1時間半。中には2時間近く話される方もいます。20分で終了される方もいます。
■インタビューから見えてくるもの
インタビューは評価に関係する物ではなく現在の状況を的確に把握する事が目的です。これまで数多くの日系企業の中国人社員の方々へのインタビューを通じていろいろ見えてくる事があります。
いくつかの質問をして行く中で「今後のキャリアをどう考えていますか？」という質問があります。全体的な傾向として保守的で安定を求める社員が数多く存在しているという事実があります。
その傾向は30歳以上の方でより強く感じられます。「出来るだけ長く働きたい」という人も少なくありません。中国における転職のキーワードは「発展空間」（入社後どれだけの伸びしろがありどれだけ成長の機会を与えられるのか）ですがその考え方は若手社員とベテラン社員の間で少しニュアンスが違っています。
ベテラン社員は専門性を活かせるのであればできるだけ長く働きたいという人は多くいますが若手社員は自分の能力を伸ばせる機会が少ないと判断すれば転職を考え始めます。
「やめる若手やめないベテラン」という言葉がありますが新卒で必ずしもベストな選択ができてない現状がある中若手社員は2回から3回の転職を通じて専門性を高める傾向が強く、一定の専門性と職位を確保したベテラン社員は安定を求める傾向が強くなります。
■最後の質問
様々な質問を通じて現場でどのような問題が起きているか？を含め実態を正しく把握していきますが最後に「もしあなたが総経理だったらこの会社をどう運営しますか？」という質問をします。それまで饒舌だった社員の方々が「考えた事がない」「総経理にはなれないから」と一様に困った顔をされます。この質問の目的は立場を変えて考えられるか？また普段どのような視点で会社を見ているかを探る質問です。管理職の方であれば思考や経営感覚を垣間みる事ができます。
返答は職種や職位に関係なく「私はその立場になれるとは思った事がないので考えた事もないし答えられない」「もし私が総経理だったら会社をこうする」の２つに分かれます。前者の方は仮定でもいいので考えてみて答えて下さいと話すとぽつぽつと話されます。後者の方は組織をこう変える、権限や責任を明確にする、配置転換をすると熱く語られます。とまどう方も多い中普段されない質問をすることでこれまで気づかなかった考え方や本音を知る事ができます。
普段気づかない社員の本音や考え方を知る為の手法はいくつかありますが日々の業務以外で様々な対話を通じて会社の実態や社員の考えを知る為に雑談の中で質問をするのもひとつの方法です。
「もし君が総経理だったらこの会社をどうする？」びっくりされるとは思いますが社員の方々に聞いてみてはどうでしょうか？意外な答えや想像を超える答えの中に中国における経営や運営のヒントが隠されているかもしれません。
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