フリーランスとしてHRP(ヒューマンリソースパートナー)日中異文化経営コンサルタントして活動している金です。
プロフィール
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少し興奮した様子で総経理から電話が入りました。内容は「新しい拠点を設立する予定なので上海で実績をあげた中国人社員を抜擢して責任者にしたい」と言うものでした。総経理は続けます「この人事はうちの会社の中でも特殊かつ象徴的な人事になる」「優秀な社員の活用と言う意味でも何とか成功させたい。本人もきっと喜んでくれるはずだ」
私は胸騒ぎを感じながら総経理の話を聞いていました。いくつかアドバイスをさせていただきその場は終了しましたが漠然とした不安が消えることはありませんでした。数日後総経理から連絡がありました「本人が行きたくないと言っている!あげくのはてに条件交渉をしてきた」「抜擢人事なのになぜ行かないのか理解できないどう対処すればいい」という内容でした。
■転勤するぐらいだったらやめる
中国はその広大な国土において北京であれば北京。上海であれば上海で独自の文化や背景があります。家族や親戚、知人や友人を含めその地域の中で完結しています。一概には言えませんが基本的に中国における社員の地域間異動は高い障壁を有します。日本では当たり前の転勤ですが終身雇用でなく有期の契約制である中国において転勤後のキャリアや発展空間があったとしても、それは保障されているものではないという感覚です。地脈や人脈、土地勘のない地域において業務を推進する事がいかに難しいかを実感として感じています。
新規拠点であればですが既存拠点への責任者として赴任は部下から反発がある可能性もあります。中国はそれだけ地域における独自感覚が強いと言えます。上海であれば近隣である蘇州や無錫であっても転勤を拒否されることは日常茶飯事です。転勤を命じられれば退職して上海で再就職するという感覚があるのを理解する必要があります。
■転勤に伴う条件交渉は当たり前
上海で実績をあげ、昇進するチャンス。責任者としての赴任は一見とてもいい話であると思われますが、全ての社員がそうだとは言えませんが中国人社員の考え方はこうです「責任者として地位や業務は確かに魅力的。しかし他地域への転勤を伴うのであれば賃金や手当て、待遇を含め大幅な上乗せがなければ行かない」経営者的には「何を言っている!」となりますが、当の本人は大真面目です。条件交渉は転勤と引き換えと言う考え方です。チャンスや地位だけではなく実質的な待遇が伴って初めて地域間異動が視野に入ります。
■内部抜擢か現地で採用するか
優秀な社員であっても会社として実質的なコストが大幅にアップするのであれば現地で採用活動をして会社に合う優秀な人材を採用するという方法もあります。しかしメリットデメリットがあります。内部抜擢は業務に精通していて会社の方針を理解している反面、赴任地域や当地社員(部下)と折り合わなければ退職してしまう可能性も否めません。現地での採用は現地の事情には精通していますが業務や会社の方針と言う意味では理解に時間がかかり、最終的には同じように退職のリスクはあります。
いくら優秀な社員であっても会社の規定を超えるような待遇を用意できるわけではありません。既成事実(待遇アップ)を作ってしまうと次の赴任者は更なるアップを求めてくる可能性もあります。また現地で優秀だと思って採用しても結果的に業務が立ち行かなくなるケースも多々あります。
賃金でカバーできなければ一時金(引越し費用や赴任金)として対応するという方法もあります。現地での採用はミッションから落とし込んだ責任と権限、職務と指示命令系統を含めたマネジメントルールを明確にした上で求める人物像を明確にして採用活動を行うことです。
前述の総経理は最終的に内部抜擢にこだわり賃金を含む待遇を受け入れ、本人と話し合い最終的に納得の上で赴任をしました。単身ではなく家族を帯同しての赴任となり現在は当地社員を牽引し業績を上げているそうです。
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