おはようございます。
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店の鳥枝将光です。
(プロフィールは
こちらをクリック)
梅雨が明けた思いきや40℃越えの日々が続く上海からお届けしております。
元々汗っかきである私の衣服はまるで夕立にでもあったかのように汗でずぶ濡れになってしまいます。
さて、今週の「Weekly 現場カイゼンブログ」をお届けいたします。
これは、「トヨタ 仕事の基本大全」という中経出版社が発行している本の中から、生産現場、物流の現場でお仕事されている方々にお役に立てる情報を、毎週1回当研究会の研究員から配信するものです。
「トヨタ 仕事の基本大全」という本の詳細はこちらです。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137G0657B55
今週はCHAPTER_1 LECTURE08の
"「問題がない」ことが最大の問題"です。
私のカイゼンの師匠でもある、岡義雄から以前こんな話を聞かされたことがあります。
-----------------------
ある時、比較的年齢の若い課長職が新しく自分の職場に入ってきた時に、「あぁ…上司だけどコイツはダメだな…」と感じたことがある。
なにが、ダメかって?
部長が定期的に現場巡回に来るたびに、各課長に「現場の状況はどうだ??」と聞いて回っているのだが、
この課長は
「はい!問題ありません!」
としか、言わない。
新人課長さんはどうやら現場にあまり詳しくないのはわかっていたが、
「問題ありません!」
なんて、当時その課長の下で工長をしていた俺に言わせるとありえない。
最初はこんなもんか、少しずつ問題も見えるようになってくるだろうと思っていたが、一ヶ月たっても何も変わらない。
こんな課長が上にいると部下もついてこないから困ったな…と思っていた矢先、3ヶ月も経たない内にその課長はどこか別の部署に飛ばされてたなぁ。
正直ホッとしたし、安心した。
あんなんじゃトヨタじゃやっていけないよ。
現状、計画どおりにいってたとしても、先のことを予測すれば準備するべきことはたくさんあるだろう?
さらに現状に少しでも問題があるなら、それを真っ先に解決しなきゃならない。
現場はやらなきゃいけないことだらけさ。
-----------------------
工場を経営している方、経営層であれば「問題はない」なんて方はほとんどいないでしょう。
ましてや、経営する観点で数ヶ月先、数年先を見ていればなおのことです。
しかしながら、私もごくたまに「問題はありません」「これ以上やることはありません」という管理職の方にお会いすることがあります。
つい最近もそんな管理者に会いました。
しかし、少しずつ話を聞いて問題を深堀してみると…
-----------------------
管理者:「現在は設備の利用率は社内指標ベースで98.2%を達成しています。98%以上が目標なのでいつも毎月達成しているのです。正直これ以上やることがありません。」
(ここでの指標は設備稼働時間から設備の修理時間を差し引いた数値で計算している)
鳥枝:「そうですか。ですが、私が先ほど15分弱現場を拝見させていただいた間でもチョコ停が4回は発生していましたね。」
管理者:「それは…そうですね。」
鳥枝:「過去から使い続けている指標では問題が見えていないだけではないですか??」
管理者:「実は…数ヶ月前から試しにチョコ停などの時間を含めた可動率(のようなもの)を計算してみたのですが…実際には91%前後であることが分かってきました」
鳥枝:「そうでしょう?それならば指標を変えて、日次、月次で変化を追って分析していかないと、製造部TOPとしてもなにをしなきゃいけないかわからないでしょう。」
鳥枝:「工場の見える化が少ないのは感じていましたが、よく見てみると、インクが乾ききって数年単位で更新していないようなホワイトボードも見受けられました。きっとパソコンの中にKPIなどのデータはあるのでしょうが、もっとみんなに見えるように、見せるようにしてチームとしての目標を共有していきましょうよ。」
管理者:「そうですね、ちょっと方法を考えてみます。」
-----------------------
なんて話をしていました。
トヨタの仕事大全では以下のように書かれています。
-----------------------
トヨタでは、問題に気づくこと、そしてその問題を改善していくことが、従業員の基本スキルに位置づけられているのです。
「困らんやつほど、困ったやつはいない」
トヨタの元副社長であり、改善の鬼でもあった大野耐一は、こんな言葉を残しています。
言い方を変えれば、「問題がないことが最大の問題」という意味です。
問題を発見して改善を繰り返していくことが、人を育て、会社を強くしていくことであるというメッセージが込められているといってもいいでしょう。
-----------------------
ふと最近、過去のカイゼン塾参加者の上司の方に書いてもらった調査票を見ながら、カイゼン塾への参加を通して部下に期待する変化という旨の質問について統計を試しに採ってみました。
1位:カイゼン能力の向上
2位:問題発見能力の向上
なんと、この2つで全体の63%を占めていました。
現場でお話した管理者のことを思い出すと…そりゃ、1位2位を占めるよな…とひしひしと感じました。
あなたの部下はどうですか?
あなたの現場がもっと良くなることを応援しています。
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
現場カイゼン診断士 鳥枝 将光
PS.
自ら問題を発見し、カイゼンを推進できる現場リーダー育成する、
現場カイゼン塾【実務者編】の詳細は以下です。
↓↓↓
詳細はコチラ
TPMを学び設備を故障したら修理する、から故障を予防し保全する
担当者育成を行う現場カイゼン塾【設備保全・管理者編】の詳細は以下です。
↓↓↓
詳細はコチラ
==== この定期カイゼン通信の目的 ========
この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。
コストカイゼンを含めた様々なカイゼン事例がたくさん蓄積されています。その事例を皆さんでシェアすることが、最短距離での解決方法ではないかと思い、ニュースレターを発行しています。お問合わせや、お聞きになりたいことがありましたら、このメールに直接返信して頂いて結構です。
当研究会では、しつこい売り込みは一切ないので、安心してお問い合わせ下さ
い。
**********************************************************
当研究会の理念は「感謝」です。
当研究会の仕事は、「現場で起こった問題をトヨタ生産方式(TPS)
やITを活用して解決し感謝される事」です。現場で困ったら、まずはご一報を!!
相談無料です。
https://a.k3r.jp/a_sol/1861F1131C
*********************************************************
ご連絡は中国からは400-604-1765フリーダイヤル、24H365日受付中、
日本からは+86-21-6440-1765 /86-21-6432-5544
受付時間は平日9:00〜18:00までです。
担当:門脇 日本語、中国語両方OKです!!
生産、物流現場カイゼンNews Letterはこちら!!
https://a.k3r.jp/a_sol/1861F1131C0
https://a.k3r.jp/a_sol/1861F0912B69
現場カイゼン塾沪江网校のURLはこちら!!
https://a.k3r.jp/a_sol/1861F1131B59
**********************************************************
この定期カイゼン通信の配信停止をご希望の方は下記より手続きを受け付けております。メール配信解除は
こちら