こんにちは!
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会の矢崎早人です。
暑いですね!
「Weekly 現場カイゼンブログ」をお届けします。
私も含めて日本人の多くは'日本語って難しい'と感じているのではないでしょうか?
婉曲的な言い方や間接的な言い回しなど、多彩な表現がある一方で、本当は何を言いたいのかわからない時もあります。
日本人は自分の気持ちをストレートに言わない傾向がある、とも言われますよね。
しかし、上海で長く生活していると、そういう日本語をあまり話さなくなります。
とにかくダイレクトに自分の要求を伝えないと、相手に理解されないからです。
日本から出張で来られている日本人や現地に赴任したばかりの日本人の方とお話ししていると、曖昧な表現の多さに戸惑いを感じることがあります。
日本人は英語に対するコンプレックスが強く、英語を話せないことを恥ずかしいと思う人が多いようです。
一方、中国語に対してはそれほどコンプレックスもなく、話せなくても恥ずかしいとは感じないのではないでしょうか?
そして、中国には本当にたくさんの通訳(日本語が話せる中国人)がいます。
つまり、通訳がいるので、中国語が話せなくてもそれほどコミュニケーションには苦労しないと感じるのです。
中国に進出している日系企業では、日本語通訳として採用されている中国人が多くいます。最近は旅行で日本に行ったことがある人も増えてきましたが、数年前までは日本に行ったことがないけど、通訳の仕事をしている若い人が多かったです。
通訳は単に言葉を変換するだけではなく、コミュニケーションを仲介するのが仕事ですね。
優秀な中国人通訳は、ただ言葉を訳すだけではなく、日本人の習慣や価値観などの背景を理解し、それを知らない中国人に向かってわかりやすい表現を選んで、時には解説を加えながら説明していきます。
優秀な中国人通訳であれば、曖昧な表現の多い日本人の話す内容も、うまくローカルスタッフに伝えていくことができます。
しかし、そのような優秀な中国人通訳は非常に稀です。
一般的に、通訳は日本人の言っていることがわからない場合、自分のわかる範囲だけを中国語に訳して話します。
本来の日本語の内容にはたくさんの意味が含まれていても、中国語になったときはかなり限定的になっていたり、時には意味が変わっていたりすることもあります。
それを通訳の能力の問題にするのは簡単なことですが、実は話している日本人側にも大きな問題があると言えます。
つまり、日本人もできるだけわかりやすく話す必要があると思うのです。
2016年12月21日に日本の中央教育審議会から出された「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善及び必要な方策等について(答申)」というものがあります。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F9805C36
この答申では、2020年の学習指導要領の改訂によって国語教育の改善・充実を図っていくことが謳われています。その中で、新しく追加される科目の一つが「論理国語」です。
「論理国語」…多様な文章等を多面的・多角的に理解し、創造的に思考して自分の考えを形成し、論理的に表現する能力を育成する。
ちょっとわかりにくいので、実際の論理国語のテキストを見てみると、論理的に表現することの基本は、
1. まず結論を話す(主語と述語を明確に)
2. なぜなら、、、とその理由を話す
ということのようです。
当たり前といえば当たり前ですが、通常の日本語の話し方は先に理由を説明して、最後に結論を話すことが多いですよね。
そういう話し方で中国人の通訳に伝えていくと、通訳は日本人が何を言いたいのかわからないまま中国語に訳していき、最後になってようやく結論がわかるということになります。
それよりは先に結論を話し、その上で理由を説明していく方が、通訳も相手もわかりやすいと言えますね。
海外で仕事をする日本人にとって、通訳は非常に重要なパートナーです。
日本人は通訳に向かって話をするのではなく、通訳を通じて相手に話をするようにしなければなりません。
通訳の存在が気にならないくらい相手とコミュニケーションできるようであれば、通訳とのよいパートナーシップが構築されていると言えるのではないでしょうか。
そのためにわかりやすい話し方をすることはもちろん重要ですが、それだけでなく、もっと関心をもって通訳と接していくことが大切だと思います。
「トヨタ 仕事の基本大全」のCHAPTER 6 LECTURE76「関心をもって対話する」には次のようなことが書かれています。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F9805B55
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「私のいた部署ではラインで組立をしているので、作業の区切りがついたところで、部下の名前を呼んで声かけをしてまわりました。『○○くん、元気か』とこの程度です。しかし、これを毎日1時間ほど続けていると、声の調子と顔つきで、体調や精神面がわかるようになります。声の調子が悪いと『調子がわる
いのか』『嫁さんとケンカでもしたか』と声をかけると、『風邪気味で』『実は、朝、ケンカをして』といった答えが返ってきます。」
こうして一人ひとりに声をかけてまわることで、部下は自分が関心を持たれていることをうれしく感じて、モチベーションも上がります。
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これは通訳だけに限らず、ローカルスタッフとの接し方にも共通する取り組みですね。
簡単な言葉くらいは現地の言葉で話しかけられたら、相手のモチベーションはもっと上がると思われます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
P.S.
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矢崎早人
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