こんにちは!
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会の矢崎早人です。
お久しぶりです。
「Weekly 現場カイゼンブログ」をお届けします。
私は上海の古北エリアに住んで3年ほどになりますが、ここ数か月の間に、上海の交通マナーが良くなってきたと感じています。
上海のみならず、中国に行ったことのある方なら誰しもうなずけることだと思いますが、この国は自動車の運転がとっても荒くて危険なのです。
半月ほど前の朝、私は出勤のために妻と一緒に古北カルフールの前を歩いていました。そのとき、横断歩道を横切ろうとしているポルシェ・カイエンが、なんと歩行者が横断歩道を渡り終えるまで待ってから車を走らせたのです。
日本では当たり前のこの光景が、まさか上海の街中で見られるとは。。。
私は妻と一緒に喜びました。
中国の人たちは豊かになり、そしてマナーも良くなってきたんだねと。
ご存知のように中国は国土が広く人口も多いので、道路の幅員が広いです。
もちろん横断歩道に信号はありますが、大人が普通に歩いていても渡り終わる前に青信号が赤に変わってしまいます。
また、さらに怖いのが右折してくる自動車です。
中国では右折信号のない交差点では、自動車はいつでも右折が可能なので、私たちは横断歩道を歩行中に絶えず横断歩道を横切ってくる車に注意しなければならないのです。
この恐怖に悩まされていた私にとって、歩行者優先社会の到来は本当に喜ぶべきものでした。
その後、私は会社に行って職場の人や訪問した顧客先で、この変化の状況を、喜びと共に伝えました。
そして、ある中国人の方からこう言われました。
「矢崎さん、それは歩行者を待たないと運転手が減点されて罰金を取られるからですよ。」
中国人の自主的なマナー向上だと思っていた私の淡い期待は一瞬で消えました。。。
そうなのです。
2017年から上海の警察は取り締まりを強化しているのです。
横断歩道を歩行中の歩行者を優先的に通行させないと、ドライバーは3点減点され罰金100元が課されます。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F8893C25
その効果が出始めているのが、ここ数か月の変化だと言えます。
例えば、永興路×共和新路の交差点と、長寿路700号の2カ所に設置されたカメラによると、2017年4月までの約4カ月間で、既に5000件の違反の証拠写真が撮られているそうです。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F8893C26
調べてみると、横断歩道を歩行中の歩行者を優先するルールはもともと中国にもあります。
中国の道路交通安全法の第47条に明確に書かれています。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F8893C27
ルールはあっても、守られなければ意味がない、ですよね。
それがなぜ今になってルールが守られるようになったのか?
その立役者となっているのがいわゆる「電子警察」と呼ばれるカメラを使った監視システムです。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F8893C28
私も以前からカメラによる監視システムの存在は知っていましたが、その役割はスピード違反や違法駐車の取り締まりくらいの範囲かなと思っていました。
それが2017年からは交通マナーの取り締まりにも活用されるようになったようです。ルールを作り、それを守らせるためのIoTの社会的な活用事例と言えそうです。
ところで、このような「電子警察」のような監視システムを入れれば、みんながルールを守るようになるでしょうか?
実は、上海の警察が取り組んだこととして、私はもう一つ特筆すべきことがあると思っています。
それは市内の主要な交差点に警察官を立たせて、交通整理を行わせたことです。
本当に上海にはこんなにたくさんの警察官がいたのか?というほど、配置された警察官の数は多かったです。
しかも、それは半年近くに及ぶ長期間で実施されました。
交差点に配置される警察官は、交通整理をするだけでなく、ときどき取り締まりをしている姿もみかけました。
「電子警察」による監視システムに加えて、人海戦術による徹底した指導を行った結果、約半年間の時間を経て、ようやく上海の交通マナーが向上してきたというのが実態だと思います。
みなさまの生産、物流現場ではどうでしょうか?
会社で決めたルールは守られているでしょうか。
作業は標準化されていますか?そしてそれは守られているでしょうか。
ルールを守ることの意義についてもう一度考えてみましょう。
○上海の交通マナーの向上は、歩行者の安全と快適なシティライフの実現につながります。
○生産、物流現場で作業標準を守ることは、不良の発生を防ぎ、ロスを減らすことにつながります。
交差点に立って指導してきた警察官は、生産、物流現場で言えば組長や班長などの監督者に該当すると思います。
監督者が常に現場に立ち、しっかり見て、違反者がいれば是正させることで、ルールは守られ、品質は向上していくのです。
「トヨタ 仕事の基本大全」のCHAPTER5 LECTURE68「リーダーが『見る』から部下は育つ」には次のようなことが書かれています。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F8893B55
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上司がいつも見ているというメッセージを送り続ければ、その思いに応えようと大きく伸びてくれるものです
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監視システムだけを入れるのではなく、それを維持継続するための監督者の育成重要だといえそうですね。
ただ、「電子警察」のようなシステムは、会社の経営・管理層から見れば非常に魅力的なツールだと感じます。
こんな生産監視システムがあります。
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F8893D0
上海の坂東電線というFFC(Flexible Flat Cable)を製造している会社では、まず、この生産監視システムを導入して見える化しただけで、現場作業者の意識が向上し、20か月間で1580万22円の材料ロスを低減できたそうです。
詳しい内容は下記からダウンロードできます。
↓↓
https://a.k3r.jp/a_sol/37137F8893C29
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
P.S.
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一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会
矢崎早人
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