一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会の鳥枝です。
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いつも当研究会発行の「定期カイゼン通信」をご覧頂きありがとうございます。
当研究会では、現場で発生する問題にお悩みの皆様へ様々な解決方法を提案させていただいております。
その中でも私は現在10月からのカイゼン塾の運営担当を任されており、講義用資料の準備から塾生への連絡、時には講義で利用する作業台の設計・製作など様々な内容を担当しております。
カイゼン塾がどのようなものかココ↓からご覧いただけます。
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特に今年10月からのカイゼン塾では、より現場に近い状態でカイゼンを実体験いただけるように上述した作業台の製作という内容をカリキュラムの中へ新たに追加いたしました。
作業台といっても、ただの作業台ではなく、作業エリアの広さや高さ、11月に行うカンバン実習へも応用できるように作業台前面からの部品補給を行える構造にしたりと、当研究会で実施した様々な現場カイゼンを元に設計された作業台です。
10月から実施しているカイゼン塾では中国全土から集まった24名の管理監督者が現在受講しておりますが、この“作業台の製作”という講義では大きな狙いがありました。
それは、“現場作業者の目線に立ってカイゼンをするための力を養う”ことです。
つまり、管理監督者の意識改革になります。
いくつもの現場を回っていると、不思議と現場の方から寄せられる共通の悩みを耳にすることができます。
「現場や部下の目線に立って、部下への指示や管理ができていない」「カイゼン案はオフィスの机の上で考えて、完成したものを現場に押し付けるだけ」
などが、よく耳にするリアルな言葉です。
それでは、作業台の製作を通じて管理監督者にどのような変化が現れたのでしょうか?
10月に行った第1回カイゼン塾の様子と共に管理監督者に起こった意識が変化する瞬間について報告させていただきます。
まずは、カイゼン塾1日目
TPSについての総合的な知識に関する講義を午前に受けたのち、午後からは体を動かしリフレッシュしてもらえるよう、24名が8名ずつの3班に分かれそれぞれ3台の作業台の製作を開始しました。
初めて顔を合わせるメンバー同士でも一緒に作業をすると瞬く間に息が合い作業の進みは早いものでした。
完成した3つの作業台について、講師からそれぞれの作業台の高さ、配置や設計の意図について解説をしながらそれぞれの作業台の評価を行いました。
それぞれとても良い出来でしたが、3台のうち、2台は明らかに前面に配置した部品棚の高さが高いものでした。
その後全体に対して、作業者の目線に立って適切な高さ、広さ、位置に合わせられているか?と問いましたが、その日は誰一人として部品を置く棚の高さについて意見を述べた塾生はいませんでした。
その後、講義や現場カイゼンの事例紹介を行いその日は1日が終了しました。
カイゼン塾2日目
2日目からは、各グループ製作した作業台を実際に使ってみながらグループ対抗でカイゼンパズル(講師とともに開発した教材)の組み付けを競い合ったりしながら作業カイゼンについて午前中を利用し学びました。
実際に自分たちで製作した作業台を使ってみることで、既に部品棚の高さが高すぎることに気づいた塾生はいたと思うのですがここでも誰も作業台の高さを話題にする者はいませんでした。
午後に入り、3つの作業台を連結しカイゼンパズルの組み付けを1つのラインとして行う実習を実施しました。
カイゼンパズルを3工程に分け、組み付け作業の時間を計測しながら各行程の作業時間(作業量)のアンバランスさを発見し、時間の山谷が発生している原因を探りながら工程分けを再考し作業を繰り返すという山積み表の実践をしました。
最初は数十秒もの開きがあった各工程間の作業時間も試行を繰り返していくうちに15秒、10秒と作業時間の差が徐々に狭くなっていきます。
塾生たちが残り4秒前後の工程間の差を埋めるために、工程分解を再考し、第4回目の試行に取り掛かろうとした、その時、数名の塾生が
「部品を取る棚の高さが高すぎるんじゃないか?」
と皆に問いかけました。
それは、自分たちで一度は認めた作業台を否定し、もう一度作り直すという提案でもありました。
その数名の塾生はもっと良い工程分解の方法は無いか?と考えながら作業者の動きを見ながら、ムダやムリのある作業に気づいたのでしょう。
それは「数秒の時間を縮めなければいけない」という目的の中で真剣に試行錯誤を繰り返した結果でした。
塾生達も部品棚の高さを調整する提案に喜んで賛同し、組み付け担当者に
「高さはどれぐらいがいい?」「この高さはキツくないか??ムリは無いか?」
と問いかけながら棚の高さを調整し始めました。
しまいには、すべての作業台の棚の高さを再調整し、気がつけば不揃いだった棚の高さが綺麗にそろったラインが完成してしました。
結果は見事に3工程間の作業時間の差が2秒以内という工程を見つけ出し、皆で成果を喜び合う塾生の姿を見ることができました。
たかが高さがかもしれません…
しかし、数センチ高いというだけでも、現場で作業する人にとって1日に何百回、年間で何万回という動作に影響するとても重要な内容です。
今回のカイゼン塾では管理監督者として、実際に作業員の姿を細かく観察し、ムダ、ムリ、ムラが無いかを発見するという「カイゼンの眼」を養えた瞬間でした。
皆さんの部下にカイゼンの眼は宿っていますか?
現場でも部下にまずは“やらせてみる”そして、現場で“自ら気づきを与える”ことが管理監督者の育成の大切な要素なのかもしれませんね。
カイゼン塾が気になった方はココ↓からご覧いただけます。
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さて、今回のお話の中で登場した、“カイゼンパズル”。
見た目はとてもシンプルな子どもの知育道具の様な見た目なのですが、学べる内容は下記の様に多岐に渡ります。
① 【作業カイゼン】
カイゼンパズル単体の組み付け
② 【工程カイゼン、ライン改善】
複数のカイゼンパズルを利用し模擬ライン化、工程分解を行う
③ 【帳票の作成】
作業カイゼンやライン改善の結果を元に要領書を作成する
④ 【仕事の教え方】
作成した帳票を元に作業をしたことが無い人へ仕事を教える
⑤ 【カンバン教育】
ラインへの部品補給を考える
誰でも、カンタンに実践的にカイゼンを学ぶことができる教材として、既にカイゼン塾はもちろん、カイゼン指導先での講義でも利用しています。
パズルという性質上、組み付け方法は無限大。
実際に組み付ける順番を自由に創意工夫しながら考えることができ、班長や組長等、実際にカイゼンを進める立場になった方への社内研修の際の導入教育用としても利用価値のあるものだと手ごたえを感じています。
「社内の研修なら自社の製品を利用する方が実践的なので必要ない」という声も聞こえそうですが、製品のようにほとんど組み方が決まったものを教材とする場合、自由な発想が培われず結局マニュアル通りの組み方しかできず創意工夫のしようがないということになりがちです。
このカイゼンパズルを利用した実践実習は自らの頭で考え、体を動かし、チームで協力し、カイゼンの成功体験を味わうころができるものであり、集中力を持続することが難しい座学講義と組み合わせて利用いただくことが可能です。
本当はカイゼンパズルがどんなものなのか?どうやって使うのか?とお伝えするために写真や動画などでお伝えしたかったのですが、この定期カイゼン通信では難しいのが実情です。
そこで、カイゼンパズルがどの利用できるのか実際に見ていただけるような機会をご用意いたしました。
なんと、2014年11月24日に開催するカイゼン塾に無料特別観覧席をご用意いたしました!!
カイゼンパズルがどのように利用できるのか?また、カイゼン塾にご興味のある方にとってもまたと無い機会となっております。
社内研修担当者、社内講義の内容をより実践的なものにしたい方、など少しでも気になった方はぜひ、ご参加ください!
席は限定5名となっており定員に達し次第、参加締切とさせていただきます。
5名限定特別招待!カイゼンパズル及びカイゼン塾の無料観覧席!
日時:2014年11月24日13時にご来場ください
(カイゼン塾を丸々観覧ご希望の方は午前9時からの参加もお選びいただけます)
場所:古北皆喜交流中心(
上海市古北南路1838号创新园区3号楼4F)
※バス停“古北新城”より徒歩10分
費用:無料
定員:5名(定員に達し次第締め切りとなります!ご了承ください)
担当:鳥枝
torieda@a-solsh.com 携帯:186-2151-4859
それでは、下記の申込用紙へご記入の上、鳥枝torieda@a-solsh.comまでご連絡ください。
申込用紙
貴社名:
参加者名:
参加希望時間:
メールアドレス:
電話番号:
最後に、ついに当研究会でも中国版LINEとも言える微信(WeChat)のアカウントを取得し、この定期カイゼン通信以外でも、登録いただいた方へ無料でカイゼンのコツをお知らせしています。
なんと、毎日1スライドずつ弊社主催のカイゼン塾で使用しているスライドを無料で公開中です。
気になる方は是非、フォローしてみてくださいね。
【登録方法】
WeChatアプリを起動→連絡先→上部にある“検索”バーにa-Solshと入力後、画面中央に表示される“WeChatIDを検索:a-Solsh”という部分をタッチ頂くと見つかります。
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それではまた来週!!!!
一般社団法人 生産、物流現場カイゼン研究会 中国支店
鳥枝 将光
==== この定期カイゼン通信の目的 ========
この定期カイゼン通信は、生産現場、物流現場で孤軍奮闘されている方へ、また、日本で中国のオペレーションを管理している方へ少しでもお役に立てればと思い、発行させていただいております。我々は、生産現場、物流現場向けの業務
カイゼンのためのシステムを製造販売しておりますが、システム導入に限らず皆様のご苦労、問題を解決する事を第一の仕事としております。
コストカイゼンを含めた様々なカイゼン事例がたくさん蓄積されています。その事例を皆さんでシェアすることが、最短距離での解決方法ではないかと思い、ニュースレターを発行しています。お問合わせや、お聞きになりたいことがありましたら、このメールに直接返信して頂いて結構です。
当研究会では、しつこい売り込みは一切ないので、安心してお問い合わせ下さい。
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当研究会の理念は「感謝」です。
当研究会の仕事は、「現場で起こった問題をトヨタ生産方式(TPS)やITを活用して解決し感謝される事」です。現場で困ったら、まずはご一報を!!相談無料です。
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