おはようございます。
カイゼン研究会(a-Sol上海)です。
海外駐在ニュースでは
ちょっと気になる中国・東南アジアの時事ニュースをお届けします。
(現地社員との話のネタに使っていただければ嬉しいです。)
出前、フードデリバリー事業は
美団、餓了麼 の2強状態が長年づづいていたのですが
2025年2月より
EC大手(中国No.2)の京東グループが
参入したことによって競争やスタンダードが
激変しています。
京東は新規参入のアナウンスの際に
残り2社がやったことのない施策も発表します。
1つ目は
・レストラン向け加盟店手数料無料
以前、美団の紹介でも書きましたが
デリバリーサービスと言っても
収益源は2つあります。
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(1)デリバリーサービスとは
ワイマイなどの配送料の部分で
消費者負担分のコスト
(2)コミッションは
レストラン加盟店の注文に対して
10~25%の手数料という形で
加盟店からの収入です。
ーーー
1年間限定ではありますが
5月までに加盟すれば
この(2)の費用を無料にするという施策です。
何がすごいかというと
各デリバリー企業の
売上ベースで見ても
この(1)と(2)はほぼ同じであり
利益率で言うと(2)の方が高いのです。※
※(1)は配達員へのコストがあるため原価が高くなる。
新規参入ということで
それを犠牲にしたとしても加盟店からの信頼と
加盟の増加を選んだことが分かります。
(他社はこれをしたことが無いですが、、)
そしてもう一つが
・配達員への労働保険(中国では五険一金)を会社で負担。
これも業界初で
先ほど説明したように
(1)のデリバリーサービスにおいて
コストになってしまう配達員への福利厚生・労働保険は
各社、実施しないまま
だましだまし運用しているような状況でした。
しかし、
京東はこれを一律で認め
不足している配達員に対しても一気にアピールし
人の確保を短期間で行いました。
3つ目が
・100億元補助金
これは消費者向けの値引きやクーポンで
その総額が100億元だよというキャンペーンです。
これを聞いて
美団の反応は
さすがに加盟手数料無料は追随できませんでしたが
・配達員への労働保険を下半期から行うとアナウンス
・1000億元の補助金(これは消費者向けだけでなく、結果を出した店舗などへのボーナスや投資としても使われる)
を展開します。
今のところ
京東の勢いがすごく
5月時点では2000万オーダー/日にまで到達しており
これは
美団の6000万オーダー
餓了麼の約2000万オーダーと比較しても
参入3カ月で追いついてきたことになります。
餓了麼も100億元の補助金(消費者向け値引き)を
宣言する事態となり、
ワイマイ三国志が始まったと揶揄されています。
(三社合わせて株価が1.7兆円も下がりました)
(消費者は一時的には恩恵を受けますが)
そんな5月中旬に
政府の市場監督局から3社が呼び出され
過剰な競争、値引き合戦は酒
その補助金を新たなサービスや技術開発、
付加価値の創出に使用するように促されたことが
ロイターでもトップニュースになりました。
(株価が回復しました)
配達員への労働保険の提供は
歓迎され、進めるようにと言われたようです。
市場拡大や新たな利益はなくで
消耗戦、過当競争による疲弊
内巻という言葉が中国では流行していますが
今のフードデリバリーサービスは
内巻していると政府が注意喚起をしたことが
話題になりました。
呼び出される以前は
京東が各社の配達員の囲い込み作戦、を公の場で批判し
(他社のオーダーを配達させない、他社に移動させないなど。)
美団がそれに応酬するなど
言動での戦いも起こっていましたが
それも今は収まっているようです。
人民日報でも
「企業は無益な内巻競争をやめ、技術革新やサービス改善といった本質的価値向上に注力せよ」
と叫ばれる事態となっていますが
低コストにより
市場シェアを取るというのが
今までの中国企業の得意な戦術でしたが
それが行き過ぎているということを
政府がシグナルとして伝える形になりました。
しかし、
この市場はもともと2社による寡占市場であり
3社目が入ってきたことで
急激に配達員の労働環境や待遇が改善されている現状を見ても
値下げ競争での疲弊は置いておいて
プレイヤーが増える、競争が増すことで
市場が改善される例にもなっています。
本日の海外駐在ニュースはここまでです。
ありがとうございました。
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